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職場に不妊治療の理解を求める方法

2026/4/19

職場に不妊治療の理解を求める方法

職場に不妊治療の理解を求める方法|伝え方・制度活用・環境整備のポイント

不妊治療中に職場の理解を得ることは、治療継続において大きな意味を持ちます。通院の頻度・急な予定変更・ホルモン投与による体調変化——これらを周囲が知らない状態では、業務上の摩擦が生じやすく、本人への心理的負荷も大きくなります。

しかし「理解してほしい」という気持ちと、「プライベートを詮索されたくない」という気持ちは両立します。この記事では、職場に不妊治療の理解を求める際の具体的な方法と、職場側に何ができるかを整理します。

【この記事のポイント】

  • 「理解を求める」ことと「詳細を開示する」ことは分けて考える
  • 制度整備(社内規程・休暇制度)が整っている職場ほど個人への説明負担が軽くなる
  • 職場への説明は「業務への影響と対策」にフォーカスすると伝わりやすい

職場の「理解」とは何かを定義する

「職場に理解してほしい」という言葉の中身は、人によって異なります。まず自分が求める「理解のレベル」を明確にしましょう。

  • Lv1:休暇・遅刻・早退を取りやすくしてほしい(上司1人に伝えれば足りる)
  • Lv2:急な予定変更があっても責めないでほしい(チーム全体への周知が有効)
  • Lv3:業務量や担当案件を調整してほしい(上司+人事との三者面談が必要な場合もある)
  • Lv4:社内制度として不妊治療支援を整備してほしい(人事・経営層への働きかけが必要)

多くの場合、Lv1〜Lv2の対応で十分です。Lv4は個人の努力だけでは難しく、社内制度改定のプロセスが必要です。

説明内容を「業務影響」に絞る

職場への説明で最も効果的なのは、「不妊治療とはどういうものか」を教育しようとするのではなく、「業務上何が起きるか・どう対応してほしいか」を伝えることです。

例えば次のような説明が実用的です。

  • 「月に〇〇回程度、午前中に通院が必要です。通院日は前日に確定することが多いため、その日は〇〇時以降の出勤になります」
  • 「採卵・移植の周期(約1〜2週間)は通院が増えます。その時期に急な休みが発生した場合、〇〇さんに業務を代わっていただけますか」
  • 「薬の副作用で体調が優れない日があります。そのような日はリモートワークで対応させてください」

治療の詳細(どんな薬を使うか・採卵が何回あるかなど)は伝える必要はありません。相手が必要な情報は「何が起きるか」と「自分は何をすればいいか」の2点です。

使える制度を先に把握する

「理解を求める」前に、自社の制度を確認しましょう。制度が整っていれば、個人への説明は最小限で済みます。

制度

活用シーン

時間単位年次有給休暇

通院のための数時間の早退・遅刻

半日有給休暇

午前中の採血・診察

フレックスタイム制

通院後に出社するパターン

テレワーク・在宅勤務

体調不良日や移動を減らしたい日

不妊治療休暇(独自制度)

採卵・移植日の休暇取得

2022年から国の助成制度拡充に伴い、不妊治療休暇制度を独自に導入する企業が増えています。「くるみん」「プラチナくるみん」認定企業では特に整備が進んでいます。

相談相手の選び方

相談する相手によって、話す内容と期待できる結果が変わります。

  • 直属の上司:日常の業務調整(休暇・勤務変更)に最も効く。信頼関係が重要
  • 人事担当者:制度利用・規程確認・守秘義務の面で安心感がある。業務調整には間接的
  • 産業医・産業看護師:医療職として守秘義務が強く、職場環境改善の提言ができる
  • 同僚(信頼できる人):急な代替対応をお願いしやすくなる。ただし情報が広がるリスクも

「誰に話すか」よりも「何を求めて話すか」を先に決めると、相手を選びやすくなります。

職場側ができること——管理職・HR向けの視点

職場の「理解」を実現するには、個人の努力だけでなく、管理職や人事側の対応も重要です。

  • 情報の守秘義務を徹底する:治療中であることを本人の許可なく他の社員に伝えない
  • 「なぜ休むのか」を聞かない:有給申請に理由を求めないことが原則
  • 制度案内を定期的に行う:使える制度を知らない社員が多い。年1回のアナウンスが有効
  • 業務分担の柔軟な見直し:特定の時期に業務負荷が下がるよう、チームで調整する仕組みを作る

2023年の厚生労働省調査では、不妊治療を受けながら仕事を続けたと回答した人のうち、「職場の理解があった」と答えたグループの継続率が有意に高い傾向が示されています。

よくある質問(FAQ)

Q. 職場に伝えた後、情報が広まることが心配です。

A. 上司や人事に「チームへの開示は不要です」と明確に伝えましょう。守秘義務を確認することも有効です。

Q. 伝えたのに理解が得られない場合はどうすればよいですか?

A. 産業医・人事担当者など別のルートを試しましょう。それでも改善しない場合は、社外の相談窓口(都道府県の労働局など)を活用できます。

Q. 職場に不妊治療支援制度がない場合は?

A. 既存の有給・フレックス制度で対応しつつ、人事部門に制度整備を提案することができます。厚生労働省の「不妊治療と仕事の両立のための支援制度」のガイドラインが参考になります。

Q. パートナーが相談してくれない場合はどうすればよいですか?

A. 治療の負荷が女性側に偏りやすいことは事実です。パートナーも通院への同席や休暇取得が必要な場面があることを共有し、二人で職場への対応方針を決めることをお勧めします。

Q. 転職を考えていますが、不妊治療中でも転職できますか?

A. 治療中の転職は制度面・体力面での負担が増える可能性があります。転職先の不妊治療支援制度を事前に確認することが重要です。

まとめ

職場に理解を求める際は、「何のために」「誰に」「何を伝えるか」を事前に整理することが大切です。開示する情報は「業務への影響と必要な配慮」に限定し、詳細な治療内容を話す必要はありません。

まず自社の制度を確認し、制度で対応できる部分は制度を活用しましょう。その上で補完的に上司や人事への相談を行うのが、最も負担の少ない進め方です。不妊治療と仕事の両立は、個人の努力と職場環境の両方で成り立ちます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療・労務相談に替わるものではありません。具体的な対応については、専門家または社内担当者にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2