EggLink

不妊治療と仕事の両立|通院調整・職場への伝え方と心の相談

2026/4/19

更新:2026/10/28

不妊治療と仕事の両立がつらいときは、通院予定・仕事の調整・心の相談を分けて考えます。まず医療機関に予定の幅を聞き、職場には必要な配慮を相談しましょう。眠れない、食べられないなど生活への支障があれば、我慢する期間を決めず医療者へ伝えてください。

まず、今いちばん困っていることから

困りごと最初に確認すること
急な通院で仕事を休みにくいクリニックに予定の幅、職場に使える休暇・勤務制度を聞く
職場にどこまで話すか迷う相談する相手と、必要な調整・共有してよい範囲を決める
結果待ちや陰性のあとがつらい仕事の負担を減らせるか確認し、医療者や相談窓口へ話す
睡眠・食事・仕事に支障がある治療先やかかりつけ医へ早めに相談する

自分を傷つけそう、身の安全を保てないときは、一人にならず、近くの人や救急の助けを求めてください。セルフケアだけで乗り切ろうとしなくて大丈夫です。

通院日が読めないときの調整は3つ

  1. 治療先で予定の幅を聞く。次の周期の通院回数・急に決まる受診・採卵後の休み・夜間や休日の診療を確認します。回数や時刻は治療法と経過で変わります。
  2. 職場の制度を調べる。就業規則や人事で、不妊治療休暇、半日・時間単位の年休、時差出勤、フレックス、在宅勤務を確認します。利用条件と有給・無給も聞きます。
  3. 予定変更に備える。確定している予定と未定の期間を分け、引き継ぎ先・連絡方法・変更時に相談する相手を決めます。

判定日の前後に気持ちが揺れやすい人は、可能な範囲で会議や締切を減らす案もあります。「必ず休む日」と一律に決める必要はありません。

休暇や働き方は、会社ごとの条件を確認する

不妊治療の専用休暇や短時間勤務を、誰でも同じ条件で利用できるわけではありません。厚生労働省の両立支援資料や「不妊治療連絡カード」は、治療の状況と必要な配慮を伝える材料にできます。

年休は原則1日単位です。半日単位は会社の取扱いを確認し、時間単位は労使協定に基づき年5日分まで利用できます。専用休暇と年休は区別して確認してください。

派遣・契約社員、フリーランスの場合

派遣で働く場合は派遣元にも相談し、派遣先との調整方法を確認します。有期雇用でも年休の対象になり得ますが、付与日数や使える制度は勤務状況と規則で確認します。

フリーランスは、通院が集中しそうな期間の納期と受注量、収入の見通しを分けて考えます。助成は雇用形態だけで決まらず、自治体・事業ごとに対象や条件を確認してください。

職場には、必要な調整から伝える

治療内容を全員に詳しく話す必要はありません。制度利用で必要な書類や説明は確認しつつ、相談相手・共有範囲を選べます。

伝え方相談の内容・確認点
治療を伝える通院で必要な配慮を説明し、誰まで共有するかを決める
詳細を伏せる「定期的な通院が必要」と伝え、休む時間と調整案を相談する
今は伝えない年休等で対応できるか、難しくなった場合の相談先を確認する

伝え方の例:「通院のため、来月は予定変更が生じる可能性があります。確定次第連絡し、担当業務は引き継ぎます。治療の詳細は限られた方との共有にしたいです。」

必要以上の説明を求められる、嫌な言動が続く場合は、無理に一人で交渉せず、人事や職場の相談窓口、労働局等に相談できます。

気持ちのつらさは、段階表で我慢を決めない

通院の不確実さ、費用、結果への不安、職場に話しにくいことが重なり、負担になる場合があります。気分の変化をすべてホルモンのせいにしたり、性格や努力不足と決めつけたりしません。

  • 眠れない、食事が取れない、楽しみを感じにくい
  • 不安や落ち込みが続き、仕事や人との関わりが難しい
  • 治療のことが頭から離れず、日常生活を保ちにくい

こうしたときは、治療先の医師・看護師やかかりつけ医へ、生活で困っていることを具体的に伝えてください。必要に応じて心理職や精神科・心療内科につながれます。相談のために「2週間以上」「ステージ3」まで待つ必要はありません。

相談先は、治療・職場・地域で選べる

  • 治療先:心理相談や不妊カウンセリングの有無、予約方法と費用を確認します。
  • 職場:人事、産業医・産業保健職、EAPなど、利用できる窓口を確認します。相談内容の取扱いも聞いておきます。
  • 地域・当事者支援:自治体の「性と健康の相談センター」等やNPO法人Fineの相談・交流の案内を確認します。方法、日時、料金は窓口ごとに異なります。

地域の窓口はこども家庭庁の性と健康の相談センター案内から探せます。Fineは公式サイトで現在の受付を確認してください。

まず「通院の予定を聞く」「人事に制度を聞く」「つらさを医療者へ話す」のうち、今必要な一つから始めて構いません。続け方や治療を休むかも、体調・治療計画・仕事・家計を含めて相談できます。

日常の対処と、パートナーとの分担

心のケアは、負担を少し減らし生活を支えるために行います。特定の方法を何週間続ければ回復する、着床率が上がる、という保証はありません。

  • 考えを書き分ける:出来事、自分に浮かんだ考え、まだ分からないことを分けてメモします。つらさが増すなら中断し、心理職と相談します。
  • 休める時間を選ぶ:短い休息、音楽、治療と関係のない楽しみなど、負担にならないものを選びます。瞑想を無理に続ける必要はありません。
  • 人とのつながりを選ぶ:話を聞いてもらえる相手や当事者の集まりを利用できます。比べて苦しくなる交流やSNSからは距離を置けます。

パートナーには「今は助言より話を聞いてほしい」「次の診察の説明を一緒に確認したい」など、頼みたいことを具体的に伝える方法があります。家事や連絡の分担も見直せます。感じ方を男女の違いと決めつけず、本人同士で確かめます。

退職や治療結果についての迷い

仕事を辞めて治療に専念したほうがいい?

一律の正解はありません。退職を決める前に、休暇・勤務変更・休職の条件と、収入、治療費、生活上の支えを確認します。既存制度で両立できるか、治療先と職場の双方に相談する方法があります。

有給が足りなくなりそうなときは?

使い切る前に、特別休暇・積立休暇・勤務調整・休職等の有無を人事へ確認します。欠勤や休職は、賃金・契約・復職条件も含めて聞き、診断書だけで必ず利用できるとは考えません。

ストレスがあるから妊娠できない?

ストレスだけを原因に、妊娠や治療結果を説明することはできません。気持ちを楽にすることは生活を支えますが、それだけで妊娠を保証しません。結果が出ないことを自分の心の持ち方のせいにしないでください。

出典と確認日

2026年10月28日に次の採用節を確認しました。制度の利用条件と窓口の受付は、勤務先・各機関の最新案内で確認してください。個別の医師監修を受けた記事ではありません。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の治療法を推奨するものではありません。症状や治療については、必ず担当医にご相談ください。

目次に戻る
EggLink編集部のアイコン

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。

公開:2026/4/19更新:2026/10/28