
子宮筋腫は、子宮を構成する平滑筋細胞が異常増殖してできる良性腫瘍です。30〜40代女性の約20〜30%に認められると報告されており、婦人科疾患のなかでも頻度が高い疾患のひとつとされています。同じ「子宮筋腫」という診断名であっても、筋腫がどの部位に発生しているかによって、症状の重さや治療の選択肢は大きく異なります。過多月経なのか無症状なのか、妊娠への影響があるのかないのかも、種類によって変わってきます。
本記事では、国際産科婦人科連合(FIGO)が定めた最新の分類基準をもとに、漿膜下筋腫・筋層内筋腫・粘膜下筋腫の3種類を中心に解説します。各タイプの症状・治療法・妊孕性への影響を比較するマトリクス表も掲載しているため、自分の状態を整理する際の参考にしてください。なお、本記事は情報提供を目的としており、具体的な診断や治療方針については必ず担当医師にご相談ください。
この記事のポイント
- 子宮筋腫は発生部位によって「漿膜下・筋層内・粘膜下」の3種類に大別される
- FIGO分類(2011年)ではType 0〜8の9段階で筋腫の位置を詳細に定義している
- 過多月経・貧血などの症状は主に粘膜下・筋層内筋腫で顕著であり、漿膜下筋腫は無症状のことも多い
- 治療法の選択は「種類×サイズ×症状の重さ×妊娠希望の有無」で決まる
- 妊孕性(妊娠しやすさ)への影響が最も大きいのは子宮腔内に突出する粘膜下筋腫とされている
目次
- 子宮筋腫とは何か:基本的な病態と発生頻度
- FIGO分類(2011年)で見る筋腫の9段階分類
- 粘膜下筋腫:症状が最も強く出やすい種類
- 筋層内筋腫:最も頻度が高く多彩な症状を示す
- 漿膜下筋腫:無症状のことも多いが注意すべきリスクがある
- 種類別・症状×治療法マトリクス表
- 妊孕性(妊娠への影響):種類による差を理解する
- 受診の目安と診断の流れ
子宮筋腫とは何か:基本的な病態と発生頻度
子宮筋腫は子宮の平滑筋が腫瘍性に増殖した良性腫瘍であり、単発・多発ともに発生します。悪性腫瘍(肉腫)との鑑別が重要ですが、筋腫の悪性転化率は0.5%未満ときわめて低いとされています。
子宮筋腫の発生機序は完全には解明されていませんが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の刺激が筋腫の増殖を促進することが知られています。閉経後にエストロゲン分泌が低下すると、多くの場合で筋腫は縮小へと向かいます。
発生頻度と好発年齢
- 生殖年齢女性の約20〜30%に発見されると報告されている(超音波での診断基準による)
- 好発年齢は30〜45歳。閉経前後で縮小・消退することが多い
- 無症状で経過し、検診で偶然発見されるケースも少なくない
なぜ「種類」が重要なのか
筋腫の発生部位によって、子宮内膜や子宮腔への影響度が大きく異なります。内膜に近い位置の筋腫ほど月経量や着床に影響を与えやすく、外側(漿膜側)に向かうほど症状は軽くなる傾向があります。治療方針を検討する際にも、まず「どの種類の筋腫か」を正確に把握することが出発点となります。
FIGO分類(2011年)で見る筋腫の9段階分類
国際産科婦人科連合(FIGO)は2011年に筋腫をType 0〜8の9段階に分類する体系を提唱しました。この分類では、筋腫が子宮内膜側(粘膜下)か筋層か漿膜側かだけでなく、筋層内に占める割合まで数値化して定義しています。
従来の「漿膜下・筋層内・粘膜下」という3分類は直感的でわかりやすい一方、同じ「筋層内筋腫」でも内膜直下に位置するものと漿膜直下に位置するものでは症状が異なります。FIGO分類はこの「グレーゾーン」を明確にするために設計されました。
表1. FIGO子宮筋腫分類(2011年) | ||
TypeNo. | 分類名 | 詳細 |
|---|---|---|
Type 0 | 有茎性粘膜下筋腫 | 茎(蒂)を持ち、子宮腔内に突出(筋層への浸潤なし) |
Type 1 | 粘膜下筋腫(50%未満) | 筋層内に50%未満が埋まり、残りは子宮腔内へ突出 |
Type 2 | 粘膜下筋腫(50%以上) | 筋層内に50%以上が埋まり、一部のみ腔内へ突出 |
Type 3 | 筋層内筋腫(内膜接触) | 完全に筋層内だが内膜と接触、腔内突出なし |
Type 4 | 筋層内筋腫(純) | 完全に筋層内に存在し、内膜にも漿膜にも接しない |
Type 5 | 漿膜下筋腫(50%以上) | 筋層内に50%以上、残りが漿膜外へ突出 |
Type 6 | 漿膜下筋腫(50%未満) | 筋層内に50%未満、大部分が漿膜外へ突出 |
Type 7 | 有茎性漿膜下筋腫 | 茎(蒂)を持ち、子宮外側へ突出(茎細くなりうる) |
Type 8 | その他(特殊型) | 子宮頸部・子宮広間膜内・寄生性筋腫など |
FIGO分類は、特に子宮鏡手術の適応判断で重要な役割を果たします。Type 0・1は通常、子宮鏡下筋腫切除術(TCR)で対応可能とされています。一方、Type 2は筋層内への浸潤が深いため、手術難易度が上がり、複数回に分けた手術や開腹術が検討されることもあります。
粘膜下筋腫:症状が最も強く出やすい種類
粘膜下筋腫は子宮内膜直下から子宮腔内に向かって発育する筋腫です。小さなサイズでも過多月経・不正出血・月経困難症が強く現れることが多く、3種類のなかで症状が最も重くなりやすいとされています。
主な症状
- 過多月経・長期月経:内膜表面積の拡大と内膜血管の脆弱化により、月経量が増加する
- 鉄欠乏性貧血:過多月経が続くと頭痛・倦怠感・動悸などを伴う貧血に至ることがある
- 不正性器出血:月経以外の時期にも出血が起こることがある
- 月経困難症:子宮内膜の面積が広がることで子宮収縮が強まり、月経痛が増強しやすい
- 流産・着床障害:子宮腔の変形が胚着床を妨げることがあると報告されている
診断と治療の特徴
経腟超音波(エコー)で腔内突出の程度を確認し、子宮鏡検査で直接内膜を観察することが確定診断のスタンダードです。
治療の第一選択は子宮鏡下筋腫切除術(TCR:Transcervical Resection)です。腹部切開が不要な低侵襲手術であり、Type 0〜1の場合は日帰り〜1泊2日程度での対応が可能とされています。妊娠を希望しない場合は、GnRHアゴニスト(リュープリン等)や低用量ピルで月経量をコントロールしながら経過観察することもあります。
注意点:粘膜下筋腫は小さくても症状が強く現れます。経血量の増加や貧血症状がある場合、「大きくないから大丈夫」と自己判断せず、婦人科受診を検討することが推奨されます。
筋層内筋腫:最も頻度が高く多彩な症状を示す
筋層内筋腫は子宮の筋肉層の中に発生する筋腫で、3種類のなかで最も発症頻度が高いとされています。筋腫が大きくなると子宮全体を変形させ、過多月経・下腹部の圧迫感・頻尿などを引き起こすことがあります。
大きさと症状の関係
筋層内筋腫は、発生位置(内膜寄りか漿膜寄りか)と大きさによって症状の程度が大きく変わります。
- 小さい筋腫(3cm未満):無症状で経過することが多い
- 中程度(3〜6cm):月経量増加、骨盤内の鈍痛・重圧感が現れやすい
- 大きい筋腫(6cm以上):子宮が大きく変形し、頻尿・便秘・腰痛・下肢のしびれなど周囲臓器への圧迫症状が出ることもある
内膜に近い筋層内筋腫(Type 3)の注意点
FIGO分類のType 3(内膜と接する筋層内筋腫)は、腔内突出はないものの内膜血流に影響するため、過多月経が粘膜下筋腫に近い程度で現れることが報告されています。「筋層内筋腫と言われたのに月経量が多い」という場合、このType 3である可能性があります。
治療選択肢
薬物療法(GnRHアゴニスト・黄体ホルモン製剤・低用量ピル)による症状コントロールが第一段階として検討されます。薬物療法が奏効しない場合、または妊娠を希望する場合には腹腔鏡下または開腹子宮筋腫核出術が選択肢になります。子宮の温存を希望しない場合は子宮全摘術も選択肢のひとつです。また、UAE(子宮動脈塞栓術)や集束超音波治療(FUS/MRgFUS)など低侵襲な選択肢も広がっています。
漿膜下筋腫:無症状のことも多いが注意すべきリスクがある
漿膜下筋腫は子宮の外側(腹腔側)に向かって発育する筋腫です。月経への影響が少なく無症状で経過することが多い反面、大きくなると周囲臓器への圧迫症状が出現し、有茎性(茎のある)のものは茎が捻れる茎捻転のリスクがあります。
症状の特徴
漿膜下筋腫は子宮内膜から遠いため、月経への影響が小さいとされています。症状がある場合の主な訴えは以下の通りです。
- 下腹部膨満感・圧迫感:筋腫が大きくなると腹腔内を圧迫する
- 頻尿・排尿困難:膀胱方向へ発育した場合に現れることがある
- 便秘・排便痛:直腸方向への圧迫による
- 腰痛・下肢のしびれ:神経や血管が圧迫された場合
有茎性漿膜下筋腫(Type 7)の茎捻転
細い茎でつながる有茎性漿膜下筋腫(FIGO Type 7)は、茎が捻れる茎捻転を起こすことがあります。茎捻転は急激な下腹部痛・悪心・発熱を伴う婦人科的緊急事態であり、緊急手術が必要になる場合があります。「急に激しい下腹部痛が起きた」という場合は、速やかに医療機関を受診することが求められます。
「寄生性筋腫」という特殊なタイプ
漿膜下筋腫の一部は茎が切れて腹膜や大網に付着し、腹膜内で独立した腫瘤として増殖する「寄生性筋腫(parasitic fibroid)」に移行することがあります。FIGO Type 8に分類されるこの病態は、術前診断が難しく、他の腫瘍との鑑別が必要なケースもあります。検索上位の多くの記事では言及されていませんが、有茎性漿膜下筋腫を持つ患者さんにとって把握しておきたい情報です。
種類別・症状×治療法マトリクス表
以下の表は、子宮筋腫の種類ごとに「代表的な症状」「主な治療法」「妊娠への影響」を整理したものです。個々の状況によって治療方針は異なるため、具体的な判断は医師との相談が必要です。
表2. 子宮筋腫の種類別・症状×治療法マトリクス | |||
項目 | 粘膜下筋腫 | 筋層内筋腫 | 漿膜下筋腫 |
|---|---|---|---|
発生頻度 | 約10〜15% | 約55〜60%(最多) | 約25〜30% |
主な症状 | 過多月経・鉄欠乏性貧血・不正出血・月経困難症 | 過多月経・骨盤内圧迫感・腰痛(大きい場合は頻尿) | 多くは無症状。大きくなると圧迫感・頻尿・便秘 |
症状の強さ | 強い(小さくても症状が出やすい) | 中程度(サイズに依存) | 弱い〜中程度(サイズに依存) |
妊孕性への影響 | 影響大(着床障害・流産リスク上昇) | 影響中(内膜寄りほど影響が大きい) | 影響小(一般的に妊孕性への影響は少ないとされる) |
薬物療法 | GnRHアゴニスト・低用量ピル(術前縮小目的) | GnRHアゴニスト・黄体ホルモン製剤・低用量ピル | 症状があれば鎮痛剤・低用量ピル等 |
手術療法(子宮温存) | 子宮鏡下筋腫切除術(TCR)が第一選択 | 腹腔鏡下または開腹筋腫核出術 | 腹腔鏡下筋腫核出術(有茎性は比較的容易) |
低侵襲治療 | 子宮鏡手術(低侵襲) | UAE・MRgFUS(FUS)が検討対象 | UAE・MRgFUS(FUS)が検討対象 |
緊急対応が必要なリスク | 重症貧血 | 赤色変性(妊娠中に稀に発生) | 茎捻転(有茎性に限る) |
※発生頻度は複数の文献の報告値の概算です。個人差や診断基準によって異なります。
妊孕性(妊娠への影響):種類による差を理解する
子宮筋腫が妊孕性に与える影響の大きさは「粘膜下筋腫 > 筋層内筋腫 > 漿膜下筋腫」の順とされています。子宮腔内に突出する粘膜下筋腫は着床を物理的に妨げるとともに、内膜の血流・受容性にも影響するとされ、不妊・流産リスクとの関連が最も強く報告されています。
粘膜下筋腫と不妊・流産
子宮腔内に突出した粘膜下筋腫(Type 0〜2)は、以下のメカニズムで妊孕性を低下させると考えられています。
- 子宮腔の形態変形による受精卵の着床障害
- 子宮内膜の血流障害および炎症性サイトカインの増加
- 子宮収縮パターンの変化による受精卵の子宮腔内輸送障害
日本産科婦人科学会の不妊治療ガイドラインでは、子宮腔内に突出する粘膜下筋腫を有する不妊患者において子宮鏡下筋腫切除術を実施することが推奨されています(推奨グレードB)。手術後の妊娠率改善を示した複数の観察研究が存在します。
筋層内筋腫と妊娠
腔内突出を伴わない純筋層内筋腫(FIGO Type 4)については、妊孕性への影響が比較的少ないとする見解と、筋腫径が4〜5cm以上になると悪影響を及ぼす可能性があるとする見解の両方が報告されており、専門家の間でも議論が続いています。体外受精(IVF)を検討している場合、筋腫のタイプとサイズについて担当医と詳細に相談することが重要です。
漿膜下筋腫と妊娠
漿膜下筋腫は子宮腔内から遠い位置にあるため、一般的に不妊・流産リスクへの影響は小さいとされています。ただし、筋腫が非常に大きい場合や卵管周囲に位置する場合は、卵管の通過性や卵管采の機能に影響することがあると報告されているため、個別に評価が必要です。
妊娠中の筋腫の変化
妊娠中はエストロゲン・プロゲステロンが増加するため、筋腫が増大しやすい時期です。筋腫が急速に大きくなると、内部の血流が不足して壊死が起こる「赤色変性」を生じることがあります。赤色変性は激しい腹痛・発熱を伴うことがあり、多くの場合は安静と鎮痛剤で対処しますが、早産リスクの上昇が報告されているため入院管理が必要になるケースもあります。
受診の目安と診断の流れ
以下のような症状がある場合は婦人科への受診が勧められます。無症状でも30代以降の女性は年1回の婦人科検診(超音波検査)で筋腫の有無を確認することが、早期発見につながるとされています。
受診の目安となる症状
- 月経の経血量が増えた、レバー状の血塊が出る
- 月経が7日以上続く(過長月経)
- 月経痛が以前より強くなった
- 月経以外の時期に出血がある(不正出血)
- 下腹部に硬い塊を触れる
- 頻尿・残尿感・便秘が続く
- 倦怠感・動悸・息切れ(貧血症状)
- 急激な下腹部痛(茎捻転の可能性:速やかに受診)
診断の流れ
- 問診・内診:月経状況・症状の確認、子宮の大きさ・かたさの触診
- 経腟超音波検査:筋腫の位置・大きさ・個数を確認する最初の検査
- MRI検査:筋腫の詳細な位置(FIGO分類)と子宮腺筋症との鑑別に有用
- 子宮鏡検査:粘膜下筋腫の確定診断・術前評価に使用
- 血液検査:貧血の評価(Hb・フェリチン)、CA125で子宮内膜症との鑑別
経過観察の目安:無症状かつ小さな筋腫(3cm未満)は「経過観察」となることが多いとされています。定期的な超音波で増大傾向がないか確認しながら、症状が出た時点で治療を検討するのが一般的な流れです。
よくある質問(FAQ)
Q. 子宮筋腫の「種類」はどうすれば分かりますか?
経腟超音波検査(エコー)でおおよその位置が確認できます。粘膜下筋腫か筋層内筋腫かの詳細な判定や、FIGO分類によるType番号の確定にはMRI検査や子宮鏡検査が有用とされています。婦人科で「どの種類か確認したい」と伝えると、適切な検査を案内してもらえます。
Q. 筋腫の種類によって手術の方法は変わりますか?
変わります。粘膜下筋腫(特にType 0〜1)は子宮鏡下手術(腟から器具を挿入する方法)が選択されることが多く、開腹不要の低侵襲手術です。筋層内・漿膜下筋腫は腹腔鏡下または開腹での筋腫核出術が主体になります。筋腫の位置・サイズ・個数・妊娠希望の有無を考慮した上で、最適な術式を担当医と相談することが大切です。
Q. 複数の種類の筋腫が同時にある場合はどうなりますか?
子宮筋腫は多発することも多く、漿膜下・筋層内・粘膜下の複数タイプが同時に存在するケースも報告されています。その場合、症状や妊孕性への影響が最も大きい筋腫のタイプを優先して治療方針を決定するのが一般的です。MRIで全筋腫の位置とサイズを把握した上で、総合的な治療計画を立てることが重要とされています。
Q. 粘膜下筋腫を手術で取ったあと、妊娠しやすくなりますか?
子宮腔内に突出する粘膜下筋腫を切除した後に妊娠率が改善したとする観察研究が複数あり、日本産科婦人科学会の不妊治療ガイドラインでも手術が推奨されています(推奨グレードB)。ただし、手術後に子宮内膜が瘢痕化する「アッシャーマン症候群」が稀に起こる可能性があること、また手術だけでは解決しない不妊因子が別にある可能性もあることから、術後も専門的なフォローアップが推奨されます。
Q. 漿膜下筋腫は治療しなくてよいですか?
症状が軽微で筋腫が小さい場合は経過観察になることが多いとされています。一方、有茎性(Type 7)の漿膜下筋腫は茎捻転という緊急事態を起こすリスクがあるため、そのリスクを担当医と相談しておくことが大切です。また、筋腫が徐々に大きくなっている場合は、経過観察から治療への切り替えを検討する時期についても医師と確認しておくとよいでしょう。
Q. 子宮筋腫はがんになることがありますか?
子宮筋腫は良性腫瘍であり、悪性腫瘍(子宮肉腫)への転化率は0.5%未満ときわめて低いとされています。ただし、子宮肉腫は子宮筋腫と画像上の鑑別が難しい場合があり、「短期間で急速に増大する」「閉経後も増大する」「ドップラー超音波で血流が豊富」などの特徴がある場合は精密検査が必要です。定期的な婦人科検診で経過を観察することが重要です。
Q. FIGO分類とよく聞く「タイプ」はどう使い分けますか?
日常の婦人科外来では「粘膜下・筋層内・漿膜下」の3分類が患者への説明で使われることが多く、手術計画や学術的な議論の場ではFIGO分類(Type 0〜8)が用いられます。特に手術を検討する際は「FIGO TypeいくつのどのくらいのサイズかでTCRが可能か?」という観点で医師に確認すると、より具体的な治療の見通しを得やすくなります。
まとめ
子宮筋腫は発生部位によって「粘膜下・筋層内・漿膜下」の3種類に大別され、国際基準ではFIGO分類のType 0〜8で詳細に定義されています。
- 粘膜下筋腫:小さくても症状が強く、妊孕性への影響も大きい。子宮鏡下手術が第一選択
- 筋層内筋腫:最も多く、サイズと位置によって症状が大きく変わる。薬物療法〜筋腫核出術まで選択肢が広い
- 漿膜下筋腫:月経への影響は小さいが、有茎性は茎捻転リスクがある。経過観察から手術まで状況に応じて判断
自分の筋腫がどのタイプかをMRIでFIGO分類まで把握しておくと、治療方針の議論がより具体的になります。月経量の増加・貧血症状・不妊で悩んでいる場合は、一度婦人科で超音波検査を受けることをお勧めします。
次のステップへ
子宮筋腫の種類・サイズ・症状の程度によって、最適な治療方針は異なります。「月経量が増えた」「妊娠を考えているが筋腫が心配」という場合は、婦人科専門医への相談が第一歩です。
- 経腟超音波検査は初診でも当日実施できるクリニックが多い
- 不妊治療を考えている方は、筋腫の種類とFIGO分類の確認を担当医に依頼してみましょう
- 関連記事:子宮筋腫の症状チェック / 子宮筋腫と妊娠の関係
本記事は情報提供を目的としており、医療行為の代替となるものではありません。症状や治療の判断については、必ず婦人科専門医にご相談ください。
参考文献・出典
- Munro MG, et al. FIGO classification system (PALM-COEIN) for causes of abnormal uterine bleeding in nongravid women of reproductive age. Int J Gynaecol Obstet. 2011;113(1):3-13.
- Laughlin SK, et al. Uterine leiomyomas: individualizing the approach to a heterogeneous condition. Obstet Gynecol. 2009;113(2 Pt 1):396-403.
- 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会編. 女性医学ガイドブック(2023年度版).
- 日本産科婦人科学会. 生殖補助医療の胚移植において移植する胚数について(2021年改訂).
- Pritts EA, et al. Fibroids and infertility: an updated systematic review of the evidence. Fertil Steril. 2009;91(4):1215-1223.
- Zepiridis LI, et al. Infertility and uterine fibroids. Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol. 2016;34:66-73.
免責事項:本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療行為を推奨するものではありません。個々の症状・検査結果・治療方針については、必ず担当の医師・医療機関にご相談ください。記事内容は執筆時点の情報に基づいており、医学的な知見の更新により内容が変わる場合があります。
関連記事
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。