
不妊治療と仕事を両立するうえで、「休みが取りにくい」という問題は多くの方が直面しています。2021年以降、国の後押しにより不妊治療休暇制度を導入する企業が増えており、2026年現在、その活用方法を知ることが仕事と治療の両立において重要になっています。この記事では、不妊治療休暇制度の内容・活用方法・制度がない場合の対処法を詳しく解説します(2026年5月2日時点の情報)。
この記事のポイント
- 不妊治療休暇制度は特別休暇として有給休暇とは別に設けられているケースが多い
- 厚生労働省の「不妊治療と仕事の両立支援」助成金により、制度を整備する企業が増加している
- 会社に制度がない場合でも、有給休暇・時間単位休暇・フレックスタイムを組み合わせて対応できる
不妊治療休暇制度とは
不妊治療休暇制度とは、不妊治療のための通院・検査・処置などに使用できる特別休暇のことです。一般的な年次有給休暇とは別枠で設けられており、企業が独自に設計しています。
項目 | 内容 |
|---|---|
休暇の種類 | 有給の特別休暇・無給の特別休暇・年次有給休暇の特別付与など、企業によって異なる |
日数 | 年間5〜10日程度が多い(企業によって大きく異なる) |
取得単位 | 1日単位・半日単位・時間単位など |
申請方法 | 通院証明・診断書の提出が必要な場合がある |
2021年の「育児・介護休業法」改正以降、国として不妊治療と仕事の両立支援が推進されており、制度を設ける企業への助成金制度も整備されています。
不妊治療に関連して利用できる職場の制度一覧
不妊治療休暇以外にも、仕事と治療の両立に役立つ制度があります。就業規則や人事担当者に確認してみましょう。
- 不妊治療特別休暇:通院・処置のための休暇(有給・無給は会社による)
- 時間単位の年次有給休暇:年5日まで時間単位での取得が可能(労使協定が必要)
- フレックスタイム制度:始業・終業時刻を調整して通院時間を確保できる
- 短時間勤務制度:勤務時間を短縮し通院負担を軽減する
- テレワーク・在宅勤務制度:自宅から近いクリニックへの通院が可能になる場合がある
- 慶弔・病気療養特別休暇の流用:企業によっては既存の特別休暇を不妊治療に活用できる場合がある
不妊治療休暇を申請する際の流れ
不妊治療休暇制度を実際に利用する際の一般的な手順です。会社によって異なるため、まず就業規則と人事担当者に確認してください。
ステップ | 内容 |
|---|---|
1. 就業規則で制度を確認する | 不妊治療休暇・特別休暇の条件・日数・有給/無給の区分を確認 |
2. 人事・上司に相談する | 利用意向を伝え、申請方法・必要書類を確認する |
3. クリニックから証明書を取得する | 通院証明書・診断書・処置証明等(必要な場合) |
4. 申請書を提出する | 所定の休暇申請書に必要書類を添付して提出 |
プライバシーへの配慮から、不妊治療休暇の申請時に詳細な治療内容の開示を求めない会社も増えています。
会社に不妊治療休暇制度がない場合の対処法
不妊治療休暇制度がない会社でも、以下の方法で通院との両立は可能です。
- 年次有給休暇を計画的に使う:月経周期から採卵・移植の大まかな時期を予測し、事前に有給申請する
- 時間単位の有給休暇を活用する:再診など数時間の通院には時間単位の休暇が便利(労使協定がある場合)
- 診療時間が長いクリニックを選ぶ:早朝(7〜8時)・夜間(19時以降)・土曜日診療のクリニックを選ぶと勤務への影響を最小限にできる
- フレックスタイム制度を最大限活用する:通院日は遅めに出社・早めに退社するなどの調整
- 制度の新設を提案する:厚生労働省が用意している「不妊治療と仕事の両立支援モデル就業規則」を参考に、会社への提案を行う選択肢もある
厚生労働省の不妊治療両立支援制度(助成金)
2021年以降、厚生労働省は「不妊治療と仕事の両立支援」に取り組む企業への助成金制度を実施しています。この助成金を受けた企業では、従業員向けの支援が充実している可能性があります。
- 両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース):不妊治療のための休暇制度・勤務制度を導入・活用した事業主に支給される
- 不妊治療のために利用できる休暇(有給)を取得した場合に支給される
- 詳細は厚生労働省ホームページを参照
費用の目安
不妊治療休暇制度の利用に伴う収入面の影響も把握しておきましょう。
休暇の種類 | 収入への影響 |
|---|---|
有給の特別休暇(不妊治療休暇) | 通常通りの給与が支払われる |
無給の特別休暇 | その日の給与なし(日割りで減額) |
年次有給休暇 | 通常通りの給与が支払われる |
時間単位の有給休暇 | 取得時間分の給与は支払われる |
採卵日・移植日など半日〜1日かかる処置には、なるべく有給の休暇を充てることで収入への影響を最小限にできます。
受診時のポイント
不妊治療休暇制度を有効に活用するためのポイントをまとめます。
- 治療開始前に会社の制度を調べておく(就業規則を確認 or 人事に問い合わせる)
- 採卵日・移植日など重要な日程は早めに有給申請する
- クリニックから通院証明書を発行してもらえるか確認しておく
- 不妊治療休暇を使い切った後の有給残日数も管理しておく
アクセス情報
不妊治療休暇制度の有無に関わらず、通院の負担を減らすためにアクセスしやすいクリニックを選ぶことが重要です。特に採卵周期は通院頻度が上がるため、自宅や職場から30分以内でアクセスできるクリニックを優先して選ぶことをお勧めします。
よくある質問
Q. 不妊治療休暇制度は法律で義務付けられていますか?
A. 法的義務はありません。制度の設置は企業の任意ですが、厚生労働省の助成金制度もあり、整備する企業は増えています。
Q. 不妊治療休暇を申請する際、治療内容を会社に伝える必要がありますか?
A. 会社によって異なりますが、「不妊治療のための通院」であることを伝えれば詳細な治療内容を開示しなくてよい会社も増えています。申請方法については人事担当者に確認してください。
Q. パートタイム・派遣社員でも不妊治療休暇を使えますか?
A. 会社・雇用形態によって異なります。年次有給休暇は一定条件を満たすパートタイム労働者にも付与されますが、不妊治療特別休暇は雇用形態によって対象外の場合があります。雇用先・派遣元に確認してください。
Q. 自営業・フリーランスで不妊治療休暇に相当する制度はありますか?
A. 雇用保険の傷病手当金は対象外(自営業は国民健康保険のため)ですが、国民健康保険の傷病手当金を設けている自治体もあります。また、治療費の医療費控除・確定申告での節税を積極的に活用することをお勧めします。
Q. 会社に不妊治療休暇制度を提案したいのですが、どうすればよいですか?
A. 厚生労働省が公開している「不妊治療と仕事の両立支援モデル就業規則・ガイドライン」を参考に、人事担当者や経営者に提案する方法があります。助成金制度を活用できることを伝えると、会社側も前向きに検討しやすくなります。
まとめ
不妊治療休暇制度は、有給の特別休暇として年5〜10日程度設ける企業が増えています。制度があれば、採卵日・移植日など重要な処置日に有給で休暇が取れ、収入への影響を最小限にできます。制度がない場合でも、年次有給休暇の計画取得・時間単位休暇・フレックスタイムを組み合わせることで対応は可能です。治療を始める前に会社の制度を確認し、必要であれば制度の新設を提案することも検討してみましょう。
※本記事の情報は2026年5月2日時点のものです。制度・法律は変更される場合があります。詳細は所属企業の人事担当または厚生労働省・労働基準監督署へお問い合わせください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスに代わるものではありません。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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