
不妊治療における自己注射とは何か
体外受精の排卵誘発では、ゴナドトロピン製剤(FSH製剤・LH/FSH配合製剤)を毎日注射することが必要です。クリニックに毎日通院せずに自宅で注射できる「自己注射」は、仕事・生活との両立に大きなメリットがあります。
自己注射で使われる主な注射製剤
製剤名 | 種類 | 注射方法 |
|---|---|---|
ゴナールF(FSH) | 卵胞刺激ホルモン | 皮下注射(ペン型注射器) |
レコベル(FSH) | 卵胞刺激ホルモン | 皮下注射(ペン型注射器) |
フォリスティム(FSH) | 卵胞刺激ホルモン | 皮下注射(ペン型注射器) |
hCG製剤 | 黄体化ホルモン作用 | 皮下・筋肉内注射 |
プロゲステロン注射 | 黄体ホルモン | 筋肉内注射(クリニックで実施の場合も) |
自己注射のメリットとデメリット
- メリット:毎日のクリニック通院が不要・自分のペースで注射できる・時間の節約
- デメリット:初回は不安・注射の手技習得が必要・廃棄物(針など)の適切な処理が必要
自己注射指導が丁寧なクリニックの特徴
- 看護師・培養士による個別の注射指導セッションがある
- 実際の練習用キット(デモ用ペン・スポンジ等)を使った指導を行う
- 指導後に確認テスト(実際にやって見せてもらう)がある
- 不安な場合は来院での注射対応に柔軟に切り替えられる
- 指導動画・マニュアルを提供している
自己注射の手技:基本的な手順
ペン型注射器(例:ゴナールFペン)の一般的な手順は以下のとおりです。実際の手順はクリニックの指導に従ってください。
- 注射部位(腹部または大腿部)を清潔にする(アルコール綿で拭く)
- カートリッジの薬液量を確認し、規定の量に設定する
- 新しい針を装着する
- エアー抜きをする(最初に少量を押し出す)
- 皮膚をつまんで90度(または45度)で針を刺す
- ボタンを最後まで押して薬液を注入する
- 5〜10秒待ってから針を抜く
- 使用済み針を針捨て容器(シャープスコンテナー)に廃棄する
注射部位のローテーションと管理
毎日同じ場所に注射すると皮膚が硬くなる(硬結)ことがあります。腹部なら左右・上下に部位をローテーションする、大腿部と腹部を交互にするなどの工夫が有効です。注射後に皮下出血(あざ)が出ることがありますが、通常は数日で消えます。
よくある質問(FAQ)
Q. 注射が怖くてできません。どうすればいいですか?
多くの方が最初は怖く感じます。クリニックで十分な練習をしてから帰宅するよう担当看護師に相談してください。1〜2回練習すれば慣れる方がほとんどです。
Q. 自己注射できない場合はクリニックで毎日注射してもらえますか?
多くのクリニックで毎日の来院注射に対応しています。ただし時間・費用・負担が大きいため、可能であれば自己注射の習得をお勧めします。
Q. 注射を打ち忘れた場合はどうすればいいですか?
すぐにクリニックに連絡して指示を仰いでください。自分の判断で量を変えたり、打ち直したりしないことが重要です。
Q. 使用済みの針はどう処理すればいいですか?
使用済みの針は家庭ゴミとして捨てないでください。クリニックで回収してもらうか、薬局で販売している針捨て容器(シャープスコンテナー)に入れて、医療廃棄物として適切に処理してください。
Q. 出張中でも自己注射を続けられますか?
製剤の保存方法(冷蔵・遮光等)を守れば出張中でも注射できます。ただし検査(超音波等)のためのクリニック来院が必要な日程には注意が必要です。
まとめ
自己注射指導が丁寧なクリニックを選ぶことで、仕事と治療の両立・通院負担の軽減・治療継続率の向上につながります。最初は不安でも適切な指導を受ければ多くの方が習得できます。クリニック選びの際に「自己注射の指導はありますか?」と確認することを忘れずに。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、自己判断での薬の使用は禁止されています。必ず担当医・看護師の指導に従ってください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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