
不育症(習慣流産)の検査のひとつとして、HLA(ヒト白血球抗原)に関連した検査が行われることがあります。すべての不妊治療クリニックで実施されているわけではなく、不育症・着床不全に特化した外来を持つ施設で受けられることが多いです。
この記事のポイント
- 不育症のHLA検査(RLA含む)とは何か
- 検査に対応しているクリニックの探し方
- 検査結果に基づく治療の選択肢
不育症とHLA検査——基本を押さえる
不育症とは、妊娠は成立するが流産・死産を繰り返す状態を指します。厚生労働省の定義では「2回以上の流産・死産・早期新生児死亡の既往を持つ」場合を不育症としています。HLA(ヒト白血球抗原)は免疫応答に関わるタンパクで、夫婦間のHLA適合性が流産リスクと関連する可能性が研究されています。
RLA(Recurrent Pregnancy Loss Analysis)は流産・着床不全の原因を多面的に評価する検査パネルの呼称として一部施設で用いられています(施設によって検査内容・名称が異なります)。
HLA関連検査に対応しているクリニックの探し方
不育症・HLA検査に対応しているクリニックは、以下の特徴を持つことが多いです。
- 不育症外来・着床外来を専門的に設けている
- 免疫系の検査(抗リン脂質抗体、NK細胞活性、HLA型検査など)を包括的に実施
- 日本産科婦人科学会・日本生殖免疫学会のガイドラインに準拠した治療方針
不育症の標準的な原因検索と治療
日本産科婦人科学会の不育症管理に関するガイドライン(2021年版)では、不育症の原因として以下が挙げられています。
原因 | 割合の目安 | 主な治療 |
|---|---|---|
胎児染色体異常 | 約60〜70% | PGT-SR(着床前診断)の適応検討 |
抗リン脂質抗体症候群 | 約10〜15% | 低用量アスピリン+ヘパリン療法 |
子宮形態異常 | 約10% | 外科的矯正(中隔切除など) |
内分泌異常 | 数% | ホルモン補充・甲状腺疾患治療 |
原因不明 | 約30〜40% | 黄体ホルモン補充・経過観察 |
クリニック選びで確認すること
- 不育症検査(抗リン脂質抗体・血液凝固系・HLA型など)を一通り実施できるか
- PGT-SR(着床前遺伝子検査)に対応しているか、または連携施設への紹介が可能か
- 免疫療法(タクロリムス・ヘパリン自己注射指導)の処方・管理ができるか
- 不育症の専門外来(予約制、十分な診察時間)があるか
よくある質問(FAQ)
Q1. HLA検査は保険適用ですか?
HLA型検査は一部保険適用になるものがありますが、不育症との関連で行う場合は自費になることが多いです。担当医に確認してください。
Q2. 流産を2回繰り返したら不育症の検査を受けるべきですか?
日本産科婦人科学会は2回以上の流産を不育症の定義としており、原因検索の検査を勧めています。年齢が35歳以上であれば2回目の流産後から積極的な検査を検討することを推奨する医師も多いです。
Q3. PGT-Aと不育症検査はどちらを優先しますか?
流産原因の約60〜70%は胎児染色体異常とされているため、流産反復例ではPGT-A(またはPGT-SR)の適応を担当医と検討することが有効な場合があります。不育症外来で包括的に評価してもらいましょう。
Q4. セカンドオピニオンは可能ですか?
不育症・着床不全の治療は施設間で方針が異なることもあります。他施設のセカンドオピニオンを積極的に活用することを推奨します。
Q5. 流産後すぐに次の治療を始めていいですか?
流産後の身体的・精神的な回復を確認してから次の周期の治療に進みます。担当医の指示に従い、無理のないペースで進めてください。
まとめ
不育症のHLA検査・RLAに対応したクリニックを選ぶ際は、不育症外来の有無と検査・治療の包括的な対応力を確認することが重要です。流産を繰り返している場合は早めに専門外来を受診し、原因を特定して治療方針を立てましょう。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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