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不妊治療実績の公表義務|厚労省の情報開示制度

2026/4/22

不妊治療実績の公表義務|厚労省の情報開示制度

不妊治療実績の公表制度:なぜ重要なのか

日本の不妊治療クリニックには一定の実績公表が求められています。実績データを正しく読み取ることで、クリニック選びの客観的な判断材料になります。ただし数字の見方には注意が必要です。

ART登録施設とは何か

日本産科婦人科学会(日産婦)に体外受精・顕微授精の実施施設として登録された施設を「ART登録施設」と呼びます。ART登録施設は年間の実施件数・妊娠率・生産率などのデータを学会に報告する義務があります。

  • ART登録施設数:約620施設(2022年度)
  • 年間ART総件数:約50万件(2022年度)
  • 学会ウェブサイトで施設別データが一部公開されている

公表される実績データの種類と見方

指標

定義

見方のポイント

妊娠率

胚移植あたり妊娠した割合

高いほど良いが年齢・症例構成の影響を受ける

生産率(出産率)

胚移植あたり赤ちゃんが生まれた割合

妊娠率より重要。流産を含まない指標

年間実施件数

採卵・移植の年間総件数

件数が多いほど経験が豊富(一般的な傾向)

年齢別妊娠率

年齢層別に分類した妊娠率

自分の年齢と近いデータを参照する

妊娠率の数字に騙されないための注意点

施設間で妊娠率を単純比較することには注意が必要です。

  • 患者の年齢構成が異なる:若い患者が多い施設ほど妊娠率が高く見える
  • 採卵のみ実施して移植は他施設という場合がある(分母の違い)
  • PGT-A実施率の違い:染色体検査で選別した胚のみ移植する施設は生産率が高くなりやすい
  • 難症例(高齢・AMH低値等)を積極的に受け入れているかどうかの違い

2024年からの実績情報開示の動向

2022年の保険適用以降、施設の情報開示が求められるようになりました。保険適用施設としての施設基準には、一定の実績・専門医在籍・設備要件が含まれています。保険適用施設リストは厚生労働省のウェブサイトで確認できます。

実績データをクリニック選びに活用する方法

  • 日産婦学会のウェブサイトで施設別データ(公開分)を確認する
  • 初診・説明会でクリニック独自の妊娠率・生産率を質問する
  • 「私と同じ年齢・症例での実績はどのくらいですか?」と具体的に聞く
  • 複数のクリニックのデータを比較検討する

よくある質問(FAQ)

Q. 実績を公表していないクリニックは信頼できませんか?

ART登録施設は学会への報告義務がありますが、施設独自の公表は任意です。学会登録状況・保険適用施設かどうかは確認してください。

Q. 「妊娠率80%」という広告を見たことがあります。本当ですか?

計算方法によって数字が大きく変わります。「移植あたり妊娠率」なのか「採卵あたり妊娠率」なのか「クリニック全体での年間妊娠率」なのかを確認してください。誇大広告的な数字には景表法上の問題がある場合もあります。

Q. 日産婦学会のデータはどこで見られますか?

日本産科婦人科学会のウェブサイト(http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/)で公開されているデータを確認できます。

Q. 件数が少ないクリニックは避けた方がいいですか?

件数が少なくても専門医が在籍し丁寧な治療をしているクリニックもあります。ただし年間採卵件数が極端に少ない場合(数十件以下)は経験の蓄積という観点から慎重な検討が必要です。

Q. PGT-Aを実施しているクリニックの生産率は高く出やすいですか?

はい、染色体正常胚のみを移植することで生産率が高く見える場合があります。データの比較には前提条件の確認が重要です。

まとめ

不妊治療実績の公表制度を活用することでクリニック選びの客観性が高まります。ただし数字を単純比較せず、年齢・症例構成・計算方法の違いを踏まえた上で判断することが重要です。担当医に自分と同じ状況での実績を直接質問することが最も参考になります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定クリニックの評価ではありません。必ず担当医にご相談ください。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2