
子宮内膜スクラッチは体外受精の着床率改善を目的として行われる処置ですが、その効果については医学的なエビデンスに議論があります。この記事では現時点の知見・対応クリニックの選び方・費用について正確に解説します。
この記事のポイント
- 子宮内膜スクラッチの着床率改善効果は、研究によって結果が分かれている
- 日本産科婦人科学会では反復着床不成功例での実施を考慮してよいとしている
- 処置時間は5〜10分程度、外来で実施できる
- 保険適用外(自費)の場合が多く、1回あたり約1〜3万円
子宮内膜スクラッチの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
処置の目的 | 子宮内膜の炎症反応を利用して着床を促進する |
実施時期 | 移植周期の前周期・月経後半〜黄体期 |
処置時間 | 5〜10分程度(外来日帰り) |
痛み | 月経痛程度〜それ以上(個人差が大きい) |
保険適用 | 原則として保険適用外(自費) |
エビデンスレベル | 効果あり・なし両方の研究が存在する |
診療内容と特徴
子宮内膜スクラッチは子宮内膜をカテーテルで意図的に傷つけることで、炎症反応を誘発し、次の移植周期での着床率を高めることを目的とした処置です。
実施が考慮されるケース
- 反復着床不成功(RIF):良好胚を2〜3回以上移植しても着床しない場合
- 原因不明の着床障害:子宮形態・ホルモン値に異常がない着床失敗
クリニック選びのポイント
- 実施の適応についてエビデンスに基づいて丁寧に説明してくれるか
- 効果の不確実性を認めた上で提案しているか
- 他の着床不全対策(ERA検査・EMMA/ALICE検査等)と組み合わせて提案しているか
口コミ・評判
- 「3回の移植失敗後にスクラッチを受け、4回目で妊娠。効果があったかは分からないが試してよかった」(体外受精経験者)
- 「担当医からエビデンスが十分でないとの説明があり、納得した上で受けた。こういう誠実な説明が信頼感につながった」(30代女性)
- 「痛みが思ったより強くて驚いた。事前に麻酔の有無を確認すべきだった」(体外受精経験者)
子宮内膜スクラッチの効果は個人差が大きく、すべての方に有効とは言えません。担当医と十分に相談の上、リスクと期待できる効果を理解した上で判断してください。
費用目安
内容 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
子宮内膜スクラッチ(1回) | 1〜3万円 | 自費(保険適用外) |
ERA検査(着床の窓検査) | 10〜15万円 | 自費 |
EMMA/ALICE検査 | 8〜12万円 | 自費 |
子宮内膜スクラッチは保険適用外の処置です。クリニックによって価格差があるため、事前に確認してください。
受診する際のポイント
- 医師への確認:実施の根拠・期待できる効果・リスクを確認する
- 実施タイミング:移植周期の前周期に実施するクリニックが多い
- 痛みへの対処:麻酔対応の有無を事前に確認する
- 他の検査との組み合わせ:ERA検査等を同時に提案してもらうことで、より包括的な着床不全評価が可能
アクセス・受診の流れ
- 初診から処置まで:既に体外受精を受けているクリニックで追加処置として実施されるケースが多い
- 外来対応:日帰りで実施できるため通院スケジュールへの影響は少ない
よくある質問
Q1. 子宮内膜スクラッチに科学的根拠はありますか?
一部の研究では着床率の改善が報告されていますが、大規模なランダム化比較試験では有意な効果が示されなかったものもあります。現時点では反復着床不成功例での実施を考慮してよいとする立場が主流ですが、すべての患者に推奨されるものではありません。
Q2. 何回受けるのが効果的ですか?
1〜2回実施するクリニックが多いですが、回数と効果の関係は十分に解明されていません。担当医の指示に従ってください。
Q3. 保険適用はありますか?
2024年時点では、子宮内膜スクラッチは保険適用外の処置です。全額自己負担となります。
Q4. スクラッチの翌周期に移植できますか?
多くのクリニックではスクラッチ実施周期の翌周期に胚移植を行います。ただしクリニックの方針によって異なります。
Q5. 副作用や合併症はありますか?
感染・出血・子宮穿孔(稀)などのリスクがあります。処置後に異常な出血・発熱・強い腹痛がある場合は速やかにクリニックに連絡してください。
まとめ
子宮内膜スクラッチは体外受精の着床率改善を目的とした補助的な処置ですが、効果のエビデンスには議論があります。日本産科婦人科学会は反復着床不成功例での実施を考慮してよいとしていますが、すべての患者に有効なわけではありません。実施を検討する場合は、担当医から効果の不確実性・費用・リスクについて十分な説明を受けた上で判断することが重要です。ERA検査など他の着床不全評価と組み合わせることで、より根拠のある治療方針を立てられます。
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為・診断・治療の代替となるものではありません。個別の治療方針については必ず医療機関の専門医にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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