妊娠中のお腹の張りは、回数や痛みの点数だけで「様子を見てよい」と判断できません。出血、水のような液体が流れる感じ、規則的・持続する張りや痛み、普段より少ない胎動がある場合は、次の健診を待たずに産院へ連絡してください。強い痛みや大量出血などがある場合は、救急の対応を優先します。
先に連絡したい症状を確認する
| 気になる変化 | 取る行動 |
|---|---|
| 出血、破水のような液体、規則的・持続する張りや痛み | 産院へ速やかに連絡し、週数と症状を伝える。回数を満たすまで待たない。 |
| 胎動がいつもより少ない・感じなくなった・普段のパターンが変わった | 張りの有無にかかわらず、夜間でもすぐに産院へ連絡する。 |
| 強い・急に悪化する腹痛、大量出血、失神、呼吸困難など | 緊急の評価が必要。救急受診が必要な状態や移動が難しい場合は119番へ連絡する。 |
| いつもと違う張りが続く、発熱、排尿時の痛みなど | 産院へ相談し、受診の必要性を確認する。自己判断で健診まで放置しない。 |
妊娠37週未満で規則的な張りや腹部のけいれんがある場合は、速やかに産院へ連絡してください。出血がない、痛みが弱い、休むと一時的に軽くなるという理由だけで、安全と確定することはできません。
生理的な張りと、診察が必要な張りは自宅の表だけでは区別できない
妊娠中には、子宮が一時的に収縮する、いわゆるブラクストン・ヒックス収縮を感じることがあります。通常は長く続かず、頻回になったり、次第に強くなったりしない特徴があります。ただし、お腹が張る感覚や痛みにはさまざまな原因があり、症状だけで病名を決めるものではありません。
「1時間に何回未満なら正常」「痛みが6点以下なら安静だけ」「頸管長が一定以上なら入院不要」といった自己判定表にはできません。初めての張り、普段との違い、不安がある場合は産院へ相談してください。
胎動は、一定回数を数え終えるまで待たない
普段感じている胎動が少ない、止まった、いつものパターンが変わった場合は、夜間でもすぐに産院へ連絡します。翌日まで待ったり、張りが治まるのを待ったりしないでください。
NHSの案内は、全員に共通する1日の胎動回数はなく、赤ちゃんごとの普段のパターンが大切だと説明しています。医療機関から個別に記録方法を指示されている場合も、普段との差が気になれば相談してください。家庭用の心音確認機器で音が聞こえたことを、安全の確認には使いません。
破水か尿もれか分からない場合も、産院へ連絡する
破水は大量の水が出る場合だけでなく、少しずつ液体が流れる場合もあります。尿もれやおりものと自分で区別できないときも、産院へ連絡してください。清潔なナプキンを当て、出始めた時刻、色、におい、出血や張りの有無を伝えます。
タンポンは使わず、連絡を優先します。入浴・移動・食事など、その後の行動は産院の指示を受けてください。色や量を確かめるために長く待ったり、膣内を自分で確認したりしないでください。
臨月の陣痛でも、産院ごとの連絡指示を確認する
37週以降の規則的な張りは、分娩の始まりに関連することがあります。初産・経産、過去のお産、医療機関までの距離、合併症などによって連絡の指示が異なるため、妊婦健診で自分の連絡時期と時間外窓口を確認しておきましょう。
破水、出血、胎動の変化、強い痛みなどがある場合は、通常の陣痛間隔を待たずに連絡します。赤ちゃんが今にも生まれそう、強いいきみたい感じがあり移動が危険と感じる場合などは、救急の助けを求めてください。
記録がなくても連絡する。分かる範囲を伝えればよい
- 妊娠週数、予定日、診察を受けている産院。
- 張りや痛みが始まった時刻、規則性や変化。
- 痛む場所と、出血・液体・発熱・排尿症状の有無。
- 普段と比べた胎動、めまい・息苦しさの有無。
- これまでの早産歴や、医師から受けている指示、薬。
「記録を完成させてから」「1時間分数えてから」と連絡を遅らせる必要はありません。今ある症状を先に伝えてください。
診察・薬・仕事の対応は、個別の評価で決まる
産院では、症状や週数に応じて診察、超音波、子宮収縮や胎児心拍の確認などを組み合わせ、必要な検査や対応を判断します。張りの回数や頸管長の一つの数値だけで、薬・入院・治療期間を一律に決めることはできません。
処方された張り止めの量を自己調整したり、他の人の薬を使ったりしないでください。気になる症状や薬の疑問は、次の健診を待つべきかも含め、処方元へ確認します。「安静」と言われた場合は、通勤・仕事・家事・運動・入浴など、どの行動をどの程度控えるか具体的に聞きましょう。
切迫早産などで仕事の調整が必要なときは、医師等の指示を勤務先へ伝え、休業や負担軽減を相談します。水分の量や姿勢を自己調整すれば張りを安全に治せる、という案内にはしません。
産院へつながらないときの確認先
母子健康手帳や産院の案内にある、夜間・休日の連絡方法を使います。受診先に迷う場合の救急電話相談には♯7119などがありますが、利用できる地域・対象年齢・時間が異なります。消防庁の実施地域・時間の一覧で確認してください。全国どこでも24時間使える番号という説明ではありません。
緊急性が高い症状がある場合は、相談窓口の受付を待たず119番へ連絡します。妊娠中の緊急症状と連絡先の考え方も確認できます。
確認した資料
2026年10月24日に関連箇所を確認。この記事で個人の診断や服薬の指示を行うものではありません。検査・受診・薬の使用は、担当の医療機関や薬剤師の案内を確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。