会陰裂傷・会陰切開の回復|痛みはいつまで?ケア方法|Women's Doctor
2026/4/14

会陰裂傷や会陰切開は、経腟分娩に伴う産道の損傷で、初産婦の多くが経験します。会陰切開は日本では初産婦の約70〜80%に行われるとされています。術後の痛みは産後の大きな悩みの一つですが、適切なケアで回復を促進できます。
この記事のポイント
- 会陰の痛みは産後1〜2週間がピークで、1か月程度で大幅に軽減
- 縫合糸は多くの場合吸収糸で、自然に溶けるため抜糸不要
- 清潔保持と円座クッションの使用が回復の基本
会陰裂傷の分類
分類 | 損傷範囲 | 頻度 | 回復期間 |
|---|---|---|---|
第1度裂傷 | 会陰の皮膚・粘膜のみ | 軽度の裂傷で多い | 約1〜2週間 |
第2度裂傷 | 会陰の筋肉層まで | 最も一般的 | 約2〜4週間 |
第3度裂傷 | 肛門括約筋まで | 約1〜6% | 約6〜12週間 |
第4度裂傷 | 直腸粘膜まで | まれ(1%未満) | 約3〜6か月 |
会陰切開(正中切開・正中側切開)は第2度裂傷に相当する深さの計画的な切開で、縫合による修復が行われます。
痛みはいつまで続く?回復の経過
時期 | 痛みの程度 | 状態 |
|---|---|---|
産後1〜3日 | 強い | 腫脹・圧痛が最も強い時期 |
産後4〜7日 | 中程度 | 座位や歩行で痛みを感じる |
産後1〜2週 | 軽度〜中程度 | 日常動作でわずかな痛み |
産後2〜4週 | 軽度 | 縫合部の引きつれ感が中心 |
産後1〜3か月 | ほぼ消失 | 組織の完全修復が進む |
会陰のケア方法
痛みの緩和
- 円座クッション:座位時の会陰部への圧迫を軽減
- 冷罨法:産後直後は保冷剤をタオルで包み患部を冷やす(1回15〜20分)
- 鎮痛薬:アセトアミノフェンやイブプロフェンは授乳中も安全に使用可能
- 温坐浴:産後数日目以降、ぬるま湯に10〜15分浸かると血行促進・痛み緩和
清潔の保持
- 排泄後はウォシュレットや清浄綿で前から後ろへ拭く
- 産褥パッドはこまめに交換(感染予防)
- シャワーで傷口を清潔に保つ(ゴシゴシ洗わない)
回復を早めるために
- 骨盤底筋体操:血行を促進し、回復を早める効果がある(痛みのない範囲で)
- 適度な歩行:血栓予防と血行改善に
- バランスの良い食事:たんぱく質・ビタミンCは組織修復に重要
受診が必要な症状
- 傷口の腫脹・発赤・膿が悪化している
- 強い痛みが2週間以上改善しない
- 発熱(38℃以上)を伴う
- 縫合部が開いてしまった
- 排便・排尿のコントロールに問題がある(第3〜4度裂傷の場合)
よくある質問(FAQ)
Q. 会陰切開の傷跡は残りますか?
適切に縫合されれば、傷跡は時間とともに目立たなくなります。完全に消えるわけではありませんが、産後6か月〜1年でほとんどわからなくなることが多いです。
Q. 産後の性交渉はいつから可能ですか?
一般的に産後6〜8週間以降、1か月健診で回復が確認されてからが目安です。痛みがある場合は無理をせず、潤滑ゼリーの使用も検討してください。
Q. 次の出産でも会陰切開は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。経産婦は会陰が伸びやすいため、切開せずに済むケースも多いです。ただし、前回の分娩状況や胎児の大きさによって判断されます。
⚠ 医療情報に関する注意事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状や治療に関する具体的なご相談は、必ず産婦人科などの専門医にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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