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養子縁組を検討する時のメンタル準備

2026/4/19

養子縁組を検討する時のメンタル準備

養子縁組を検討する夫婦のメンタル準備と手続きの進め方

養子縁組を検討しはじめたばかりで、「本当に自分たちに向いているのか」「何から手をつければいいのか」と不安を感じていませんか。不妊治療を経てこの選択肢を考える方は多く、気持ちの整理と制度の理解の両方が必要になります。焦らなくて大丈夫です。この記事では、特別養子縁組と普通養子縁組の制度の違い、審査期間の目安、費用の目安、気持ちを整理するための具体的な方法、そして最初に相談できる窓口をまとめています。一歩ずつ確認しながら進んでいきましょう。

この記事のポイント

  • 特別養子縁組(実親との法的関係解消)と普通養子縁組(法的関係を残す)は目的も手続きも大きく異なる
  • 特別養子縁組の登録から縁組成立まで平均2〜3年かかることが多く、早めの情報収集が鍵
  • メンタル準備は「喪失の悲しみを認める」→「夫婦で価値観を共有する」→「制度を知る」の順番が安定しやすい

養子縁組には2種類ある——特別養子縁組と普通養子縁組の違い

養子縁組には特別養子縁組普通養子縁組の2種類があり、目的・対象・手続きがまったく異なります。不妊治療後に子どもを迎えたいと考える夫婦の多くが検討するのは特別養子縁組ですが、まず両者の違いを整理することが出発点です。

項目

特別養子縁組

普通養子縁組

目的

子どもの福祉・養育環境の確保

家業継承・扶養義務など多目的

実親との法的関係

原則解消(戸籍上も養親の実子として記載)

継続(養子と実親の関係は残る)

対象年齢(子ども)

原則15歳未満(審判申立て時)

年齢制限なし

養親の要件

配偶者がいる夫婦(原則25歳以上)

成人であれば基本的に可能

手続きの場

家庭裁判所(審判)

市区町村への届出

取消・離縁

原則不可

協議・裁判で離縁可能

不妊治療後に「子どもと家族になりたい」という目的で縁組を検討する場合は、特別養子縁組が主な選択肢となります。

特別養子縁組の審査期間と手続きの流れ——登録から縁組成立まで

特別養子縁組の手続きは、民間あっせん機関または児童相談所への登録から始まり、縁組成立まで平均2〜3年を要します。長い道のりですが、各ステップを把握しておくと見通しが立ちやすくなります。

  1. 情報収集・説明会参加(0〜3か月)
    民間あっせん機関(NPOや社会福祉法人)や各都道府県の児童相談所の説明会に参加。費用・方針・待機状況を比較します。
  2. 申請・審査登録(3〜6か月)
    書類審査・家庭調査・面接など。養親としての適性を総合的に評価されます。審査通過率は機関により異なります。
  3. マッチング待機(6か月〜2年以上)
    登録後、子どもとのマッチングを待ちます。待機期間は機関・地域・年齢条件によって大きく変わります。0歳児希望の場合は待機が長くなる傾向があります。
  4. 試験養育期間(6か月以上)
    子どもを迎えてから家庭裁判所への審判申立てまでの同居期間。この間に家庭調査が行われます。
  5. 家庭裁判所への審判申立て・縁組成立
    家庭裁判所が「子の利益のために特に必要がある」と認めた場合に審判が成立します。

ポイントは、登録できる機関は1か所に限定されないことです。複数機関を比較した上で、自分たちの状況に合うところに登録することができます。

費用はどのくらいかかる?——民間機関と公的機関の比較

特別養子縁組にかかる費用は、民間あっせん機関を利用した場合で総額50〜100万円程度が目安です。公的機関(児童相談所)経由では費用を大幅に抑えられますが、待機期間が長くなる場合があります。

費用項目

民間機関(目安)

児童相談所

登録・審査費用

5〜20万円

原則無料

マッチング・委託費用

20〜50万円

原則無料

研修・サポート費用

5〜20万円

原則無料

裁判所手続き費用

数千円〜1万円程度(共通)

合計目安

50〜100万円

数万円以下

なお、民間機関の費用設定は機関によって異なります。複数機関の説明会に参加し、費用の内訳と返金ポリシーを必ず確認してください。また、子ども1人あたりの縁組あっせんに対して対価を得ることは「養子縁組あっせん法」で厳しく規制されており、費用は実費相当に限られます。

不妊治療後の気持ちの整理——「喪失」を認めることから始めよう

不妊治療を経て養子縁組を検討する際、多くの夫婦が「自分たちの子どもを諦めることへの罪悪感」「本当にこれでよかったのか」という感情を経験します。これは自然な反応であり、急いで答えを出す必要はありません。

なぜ「喪失の悲しみ」を認めることが大切なのか

不妊治療には、治療の痛み・時間・費用という具体的な負担だけでなく、「妊娠できなかった」という喪失感が伴います。この感情を十分に処理せずに養子縁組に進むと、子どもとの関係に影響することがあるとされています。「悲しんでいいんだ」と自分に許可を出すことが、前に進む土台になります。

夫婦間で確認しておきたい4つのこと

  • 動機の確認:「子どもを育てたい」という気持ちが、子どものために向いているか
  • 覚悟の一致:どちらか一方が乗り気でない状態で進めないこと
  • 告知方針:子どもに養子であることをいつ、どう伝えるか(専門家は「早めの告知」を推奨)
  • 親族への共有:義両親・両親への説明タイミングと方法

カウンセリングの活用

多くの民間あっせん機関では、申請前から利用できる相談・カウンセリングを提供しています。また、不妊専門クリニックに附属する心理士への相談や、NPO法人の無料相談窓口も活用できます。一人で抱え込まず、専門家に気持ちを話すことで整理されることも多いです。

主な相談先と民間あっせん機関——最初の一歩はどこに連絡すればよいか

養子縁組について最初に相談したい場合、まず説明会のみ参加できる機関を探すことをおすすめします。参加しても登録義務は生じません。

公的相談窓口

  • 各都道府県の児童相談所:養子縁組に関する無料相談を受け付けています。全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」に電話すると最寄りの児童相談所につながります。
  • 厚生労働省「養子縁組あっせん機関情報」:許可を受けた民間あっせん機関の一覧が公開されています(厚労省公式サイト)。

主な民間あっせん機関(例)

  • NPO法人 日本国際社会事業団(ISSJ)
  • 社会福祉法人 カリタスの家
  • NPO法人 環の会
  • 一般財団法人 日本生命済生会

※上記は一例です。厚生労働省の許可機関リストから、居住地域・方針・費用を比較してご確認ください。

養子縁組後に直面しやすい課題と事前に知っておきたいこと

縁組成立がゴールではなく、その後の家族としての関係構築が本来のスタートです。事前に課題を把握しておくことで、現実的な心構えができます。

告知(アイデンティティの開示)について

子どもに養子であることを伝える「告知」は、できるだけ早い時期(就学前)から少しずつ伝えることが支持されています(日本子ども家庭総合研究所の見解)。大きくなってから突然知るよりも、小さいころから「あなたを選んで家族になった」という事実として伝えていくほうが、子どものアイデンティティ形成に安定をもたらすとされています。

養親自身のアイデンティティの変化

子どもを迎えた後も、「不妊治療の経験」「血縁のない親子関係への葛藤」が浮かび上がることがあります。これは珍しいことではありません。あっせん機関の多くはアフターフォロー相談を提供しており、縁組成立後も継続してサポートを受けることができます。

学校・職場・地域社会への対応

養子縁組について周囲に知らせるかどうか、伝える範囲・タイミングは夫婦で事前に方針を決めておくと、日常の場面で慌てずに対応できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 不妊治療を続けながら養子縁組の準備を並行してもいいですか?

はい、可能です。ただし、多くの民間あっせん機関では「登録時点で不妊治療を終了していること」を条件としている場合があります。これは「子どもを迎える気持ちの準備ができているかどうか」を確認するためです。機関ごとに方針が異なるため、説明会で直接確認することをおすすめします。

Q. 年齢制限はありますか?養親の年齢上限はどこですか?

法律上の養親年齢要件は「25歳以上の夫婦」ですが(民法817条の4)、多くの民間機関では「子どもとの年齢差が40〜45歳以内」などの独自基準を設けています。40代で申請する場合でも受け付けている機関は存在しますが、待機状況や条件は機関によって異なります。

Q. 特別養子縁組の審査で不合格になることはありますか?

あります。審査では夫婦の関係性・経済状況・養育環境・健康状態などが総合的に評価されます。一度の申請で通らなかった場合でも、時期を変えて再申請できる機関もあります。フィードバックを確認し、改善できる点があれば対処してから再挑戦することが可能です。

Q. 子どもを迎えた後、実の親に関する情報を子どもが知る権利はありますか?

特別養子縁組では実親との法的関係は解消されますが、「出自を知る権利」の問題は近年注目されています。一部のあっせん機関では、子どもが成人後に実親の情報を確認できる仕組みを設けています。登録前に機関の方針を確認しておくことが重要です。

Q. 一人でも(シングルで)特別養子縁組はできますか?

特別養子縁組は原則として「配偶者のある者」が申立人となる必要があり(民法817条の3)、現時点では単身者は対象外となっています。ただし普通養子縁組はシングルでも可能です。

Q. 国際養子縁組は日本で可能ですか?

日本は現在ハーグ条約を批准していますが、国際養子縁組の国内法整備は限定的です。相手国の法律・ハーグ条約の適用状況・日本での承認手続きなど、極めて複雑な手続きが必要になるため、専門の行政書士・弁護士への相談が必要です。

Q. 養子縁組とファミリーホーム・里親制度とは何が違いますか?

里親制度は「養育里親」として子どもを一時的に預かる制度で、法的な親子関係は生じません。ファミリーホームは里親の拡大版です。一方、養子縁組は法的な親子関係を成立させる制度です。子どもを「育てる」ことへの関心がある場合、まず里親登録から始める選択肢もあります。

まとめ

養子縁組を検討する際のメンタル準備は、「不妊治療の喪失感を認める」「夫婦間で価値観を共有する」「制度の仕組みを知る」という順番で進めるのが安定しやすいといわれています。特別養子縁組は登録から縁組成立まで平均2〜3年、費用は民間機関利用で50〜100万円程度が目安です。最初の一歩は「説明会への参加」で、参加しても登録義務は生じません。準備が整っていなくても、まず情報収集から始めて大丈夫です。

次のアクション:厚生労働省の許可機関リストまたは最寄りの児童相談所(189番)に問い合わせ、まず説明会への参加を検討してみましょう。

不妊治療中の気持ちの整理、次のステップについて相談したい方へ

当院では、不妊治療に関する悩みや今後の選択肢についての相談を受け付けています。治療の継続・終了・養子縁組の検討など、どのような段階にあっても一緒に考えることができます。まずはお気軽にご相談ください。

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免責事項:この記事は医療・法律情報の提供を目的としたものであり、個別の法的判断や医療上の診断の代わりとなるものではありません。手続き・費用・条件は機関・時期によって変わります。最新情報は各機関または専門家に直接ご確認ください。

参考情報

  • 厚生労働省「養子縁組あっせん機関の許可等に関する情報」
  • 民法第817条の2〜817条の11(特別養子縁組に関する規定)
  • 養子縁組あっせん法(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律)
  • 日本子ども家庭総合研究所「養子縁組と告知に関する研究」

最終更新日:2026年04月29日|医師・専門家監修

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/4/28