
子宮内膜症のステージ分類|rASRMスコアと進行度別の症状・治療方針を徹底解説
子宮内膜症のステージ分類は、アメリカ生殖医学会(ASRM)が定めたrASRM分類(改訂版)が国際的な標準とされています。ステージはI〜IVの4段階に分けられ、腹腔内の病変部位・面積・癒着の程度を点数化(0〜100点以上)してステージが決定されます。ステージが高いほど病変は広範囲に及びますが、「痛みの強さとステージは必ずしも比例しない」という特徴があります。ステージIでも激しい月経痛を訴える方がいる一方、ステージIVでも症状が軽微なケースが報告されています。本記事では、rASRMスコアの具体的な点数配分から、各ステージの症状・妊孕性への影響・推奨される治療方針まで、エビデンスに基づいて解説します。
【この記事のポイント】
- 子宮内膜症のステージはrASRMスコア(点数制)で決まり、I〜IVの4段階に分類される
- スコアは腹膜・卵巣・ダグラス窩閉塞・癒着の4領域で算出され、最高スコアは40点超でステージIV
- ステージIIIでART(体外受精)妊娠率が低下し始め、ステージIVでは自然妊娠が困難とされる
- ステージと痛みは相関しないため、症状の強さだけでなく画像検査・腹腔鏡検査による確定診断が重要
rASRM分類とは?——国際標準のスコアリングシステムを理解する
rASRM分類(revised American Society for Reproductive Medicine classification)は、腹腔内の子宮内膜症病変を腹膜・卵巣・ダグラス窩・癒着の4領域で点数化し、合計点によってステージI〜IVに分類する国際標準システムです。1985年に初版が策定され、1996年に改訂されました。
rASRMスコアリング表の構造
rASRMスコアは以下の4領域に分けて点数を積算します。各領域は「病変の大きさ(面積)」と「深さ(表在性/深在性)」で点数が変わります。
rASRMスコアリング:主要評価領域と点数配分(簡略版) | ||
評価領域 | 評価項目 | 最大点数 |
|---|---|---|
腹膜 | 病変面積(<1cm、1〜3cm、>3cm)×深さ(表在性/深在性) | 16点 |
卵巣(右/左) | 子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)の大きさ×深さ | 各20点(計40点) |
ダグラス窩閉塞 | 部分閉塞(4点)/完全閉塞(40点) | 40点 |
癒着(卵巣・卵管) | 癒着範囲(<1/3、1/3〜2/3、>2/3)×性状(flimsy/dense) | 各16点 |
ステージ分類とスコア範囲
rASRMスコアとステージ分類の対応 | |||
ステージ | 分類名 | スコア | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
ステージI | 微小(Minimal) | 1〜5点 | 腹膜上の表在性病変のみ。癒着なし |
ステージII | 軽症(Mild) | 6〜15点 | 腹膜・卵巣表面に小病変。軽度の癒着 |
ステージIII | 中等症(Moderate) | 16〜40点 | チョコレート嚢胞・癒着が明確に存在 |
ステージIV | 重症(Severe) | 40点超 | 広範な癒着、ダグラス窩閉塞、大型嚢胞 |
ダグラス窩の完全閉塞だけで40点が加算されるため、それ単独でステージIVに達することがある点は注目に値します。スコアの上限は理論上100点以上になり得ます。
rASRM分類の限界
rASRM分類は妊孕性や治療成績の予測に課題があることが指摘されています。2010年以降、不妊予測に特化したEFI(Endometriosis Fertility Index)スコアが提唱されており、手術所見をもとに術後の自然妊娠率を推定できるとされています。EFIは0〜10点で評価し、スコアが高いほど術後妊娠率が高い傾向があると報告されています(Adamson & Pasta, 2010年)。rASRMだけでなく、EFIも合わせて確認することが妊娠を希望する患者さんにとって重要な情報となります。
ステージ別の主な症状——痛みと進行度が「比例しない」理由
子宮内膜症のステージと症状の強さは必ずしも一致しません。ステージIでも腹腔内神経終末への浸潤や炎症性サイトカインの産生により強い月経困難症が生じる一方、ステージIVでも癒着によって病変が「固定化」されることで痛みが軽減されるケースがあります。
ステージI・II(スコア1〜15点)の症状
ステージI・IIでは腹膜上の表在性病変が中心で、肉眼的な腫瘤は形成されていません。しかし、病変から産生されるプロスタグランジンやIL-6などの炎症性サイトカインが神経を直接刺激するため、以下の症状が出現することがあります。
- 月経困難症:月経開始とともに始まる下腹部痛・腰痛(VASスコアで高値を示すことが多い)
- 慢性骨盤痛:月経周期に関係なく持続する鈍痛
- 性交痛:ダグラス窩・子宮仙骨靭帯の病変による
- 排便時痛:腸管近傍の病変がある場合
ステージI・IIで月経困難症を「鎮痛剤で対処できない」と感じている方は、まず婦人科受診を検討することが推奨されています。
ステージIII(スコア16〜40点)の症状
チョコレート嚢胞が形成され始め、癒着も進行します。
- チョコレート嚢胞による圧迫感・腹部膨満感:嚢胞径3cm以上になると触知可能なことも
- 排卵痛の増強:卵巣嚢胞内圧の上昇による
- 不妊:卵管周囲の癒着や卵管采の癒着が卵子のピックアップを阻害する
- 排便困難・裏急後重:腸管癒着が進行している場合
ステージIV(スコア40点超)の症状
広範な癒着により骨盤内臓器が相互に固定されます。
- 慢性骨盤痛の常在化:月経周期に依存しない持続痛
- 深部性交痛(深部子宮内膜症 DIE):仙骨子宮靭帯・腸管・膀胱への浸潤
- 排尿困難・血尿:膀胱子宮内膜症(月経周期との連動が特徴)
- 腸閉塞症状:重篤な腸管浸潤の場合(比較的稀)
- 不妊(高率):骨盤内解剖の大幅な変化による
ステージ別の妊孕性データ——自然妊娠率と体外受精の成績
子宮内膜症患者の累積妊娠率は、ステージが上がるにつれて低下することが複数のコホート研究で示されています。ステージI・IIでは自然妊娠が期待できる一方、ステージIIIから妊孕性低下が顕著になり、ステージIVでは体外受精(IVF)が治療の主軸となります。
ステージ別の月間妊孕率(Monthly Fecundability Rate)
子宮内膜症ステージ別の月間妊孕率(参考値) | ||
ステージ | 月間妊孕率(参考) | 健常女性との比較 |
|---|---|---|
健常女性(参考) | 約15〜20% | 基準値 |
ステージI・II | 約2〜10% | 低下あり(機序は炎症環境・卵子質の低下) |
ステージIII・IV | 約1〜3%以下 | 明らかな低下(解剖学的変化・卵子質の低下) |
※上記は複数の観察研究・メタアナリシスを参考にした参考値です。個人差があり、年齢・AMH値・卵管開通性などの因子が複合的に影響します。
不妊メカニズムのステージ別差異
子宮内膜症による不妊のメカニズムは、ステージによって主体が異なるとされています。
- ステージI・II:腹腔液中の炎症性サイトカイン増加による卵子・精子・受精卵への毒性、子宮内膜の着床環境悪化
- ステージIII・IV:上記に加え、卵管閉塞・卵管采癒着による物理的なピックアップ障害、チョコレート嚢胞による卵巣予備能(AMH)の低下
チョコレート嚢胞とAMH低下の関係(独自解説)
ここで多くの解説記事が触れない点を補足します。チョコレート嚢胞(子宮内膜症性卵巣嚢胞)は、嚢胞液中の高濃度の活性酸素(ROS)と鉄イオンが周囲の正常卵巣組織に持続的な酸化ストレスを与えることで、原始卵胞を減少させることが示されています(Sanchez et al., Hum Reprod, 2014年)。これが卵巣予備能の指標であるAMH値低下の主要因とされ、片側5cm以上のチョコレート嚢胞が存在する場合、同側の卵巣機能への影響が顕著になるとされています。手術(嚢胞摘出術)を行っても卵巣組織を一部失うリスクがあるため、手術適応の判断は妊孕性保護の観点から慎重に行われます。
IVF(体外受精)の成績への影響
子宮内膜症合併不妊に対するIVFの成績については、ステージI・IIと比較して、ステージIII・IVでは採卵数・受精率・胚発生率・妊娠率がいずれも低下する傾向があると報告されています(Barnhart et al., Fertil Steril, 2002年)。ただし、IVF自体は子宮内膜症患者の妊娠において重要な選択肢であり、重症例ほどART(生殖補助医療)が推奨されます。
ステージを確定する診断方法——超音波・MRI・腹腔鏡の役割分担
子宮内膜症の確定診断と正確なステージ判定には腹腔鏡検査が必要ですが、超音波検査・MRI検査でも多くの情報を得ることができます。各検査の得意・不得意を理解して受診することが大切です。
経腟超音波検査(TVS)
チョコレート嚢胞は経腟超音波で「内部エコーが均一なすりガラス状」として視認しやすく、スクリーニングの第一選択とされています。ただし、腹膜病変・癒着・ダグラス窩状態の評価は困難で、ステージI・IIの確定診断には限界があります。
MRI検査
深部子宮内膜症(DIE:仙骨子宮靭帯・腸管・膀胱浸潤)の評価に有用で、T1強調像で高信号を示す出血内容物の同定が可能です。術前の病変範囲マッピングとして活用されます。
腹腔鏡検査(確定診断の金標準)
rASRMスコアの正式な算出は、腹腔鏡(または開腹術)による直視下評価と組織生検によってのみ可能です。腹腔鏡は診断と同時に治療(病変の焼灼・切除)を行える利点がありますが、全身麻酔下の手術であるため、適応は個々の状況に応じて判断されます。
ステージ別の治療方針——ホルモン療法・手術・ARTの選択基準
子宮内膜症の治療は、ステージ・年齢・妊娠希望の有無によって大きく異なります。妊娠希望がある場合は妊孕性温存を優先し、不妊治療との並行管理が重要となります。妊娠希望がない場合は症状コントロールと再発予防が治療の主軸です。
妊娠希望がある場合の治療方針
妊娠希望あり:ステージ別推奨治療(参考) | |||
ステージ | 一次選択 | 二次選択 | 備考 |
|---|---|---|---|
I・II | タイミング法・人工授精(IUI) | IVF | 年齢・治療期間によりステップアップ |
III | 腹腔鏡手術後のタイミング/IUI → IVF | IVF直接 | 術後6〜12ヵ月以内に妊娠試みることが推奨される場合がある |
IV | IVF(一次選択) | 手術後IVF | 手術適応は骨盤痛・嚢胞サイズ・採卵アクセスを考慮 |
妊娠希望がない場合の治療方針
ホルモン療法が症状コントロールの基本となります。低用量ピル(LEP)・プロゲスチン製剤・GnRHアゴニスト/アンタゴニストが日本産科婦人科学会ガイドライン(2022年版)で推奨されています。
- 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP):月経困難症・骨盤痛の軽減、再発予防に有効。長期使用が可能で、再発予防の第一選択とされています。
- GnRHアゴニスト(偽閉経療法):エストロゲンを低下させ病変を縮小させるとされますが、骨密度低下のリスクがあるため投与期間(通常6ヵ月)に制限があります。逆添加療法(add-back療法)との併用が推奨されます。
- ジエノゲスト(ディナゲスト):プロゲスチン製剤として保険適用があり、月経困難症・骨盤痛の改善効果が報告されています。長期投与が可能で、レビュー研究では再発抑制効果も示されています。
手術療法の適応
以下のいずれかに該当する場合、手術が検討されます。
- チョコレート嚢胞の直径が4cm以上(悪性化リスク・採卵アクセスの問題)
- ホルモン療法が無効・副作用で継続困難な月経困難症
- 深部子宮内膜症による腸管・尿路閉塞症状
- 腫瘍マーカー(CA125)の異常高値や急激な嚢胞増大(悪性腫瘍との鑑別が必要な場合)
手術は根治でなく、術後再発率が高い(5年再発率:腹膜病変40〜50%、チョコレート嚢胞30〜40%)ため、術後のホルモン療法継続が重要とされています。
子宮内膜症の再発とステージ変化——長期モニタリングの重要性
子宮内膜症は慢性・進行性の疾患であり、治療後も定期的なモニタリングが必要です。術後ホルモン療法を継続しない場合、5年以内に約20〜30%がステージの上昇または再発を経験するとされています。
再発リスクを高める因子
- 術後ホルモン療法の非継続:最大の再発リスク因子
- 若年発症(20代):月経周期の長期継続により病変進行のリスクが高い
- ステージIII・IVでの初回診断:残存病変からの再増殖
- 多発性腹膜病変:焼灼・切除した病変の再発
定期モニタリングの目安
日本産科婦人科学会の診療指針では、治療中・治療後ともに定期的な経腟超音波検査(3〜6ヵ月ごと)によるチョコレート嚢胞の評価が推奨されています。また、CA125は病変活動性の参考指標として活用されますが、感度・特異度に限界があるため単独での評価は不適切とされています。
自然閉経後の病変変化
エストロゲン依存性の疾患である子宮内膜症は、閉経後に自然消退することが多いとされています。ただし、脂肪組織でのエストロゲン産生(アンドロゲンからの変換)や外因性ホルモン投与(HRT)により、閉経後も病変が活性化・悪性化(子宮内膜症関連卵巣癌)するリスクがあります。ステージIVの重症例は特に注意が必要です。
rASRM分類の限界と新分類の動向——EFI・ENZIAN分類・ARMスコアとは
rASRM分類は1996年以降30年近く使われてきましたが、「症状との相関が低い」「妊孕性・治療成績の予測精度が限定的」という批判があり、補完的な分類システムの研究が進んでいます。これは検索上位記事のほとんどが解説していない独自の情報です。
EFIスコア(Endometriosis Fertility Index)
2010年にAdamsonらが提唱したEFIスコアは、腹腔鏡所見(rASRMスコアベース)に加え、卵管・卵巣の機能スコア(LF Score)と患者背景因子(年齢・不妊期間・妊娠歴)を統合した0〜10点のスコアです。EFI高値(7〜10点)では術後36ヵ月の累積妊娠率が約70%に達すると報告された一方、低値(0〜3点)では約10%未満という結果が示されています(Adamson & Pasta, 2010)。不妊治療の方針決定に活用されることが増えています。
ENZIAN分類(深部子宮内膜症専用)
rASRM分類が苦手とする深部子宮内膜症(DIE)の評価に特化した分類体系です。病変部位をA(膣・腸管隔壁)、B(仙骨子宮靭帯・骨盤壁)、C(腸管)、F(その他)の4カテゴリに分類し、各部位の浸潤深度(1〜3mm、3〜10mm、10mm超)を評価します。術前MRIや手術記録との照合精度が高く、DIEを合併する重症例の手術計画に有用とされています。
rASRM分類と実臨床
現時点では、rASRM分類は研究・比較に広く使われる共通言語として維持されていますが、臨床的意思決定においてはrASRM+EFI+症状スコア(VAS)の複合評価が推奨されるようになっています。患者さんとしては、主治医に「私のEFIスコアはいくつか」を確認することが、妊孕性評価の精度を高める上で有益です。
よくある質問(FAQ)
Q. ステージIの子宮内膜症でも不妊になりますか?
ステージIでも不妊につながることがあります。腹腔液中の炎症性物質が卵子・精子・受精卵に悪影響を与えることや、子宮内膜の着床環境が変化することが原因とされています。ステージIでは解剖学的な障害は少ないため、タイミング法・人工授精から治療を始めることが多いとされています。年齢や不妊期間に応じてステップアップが検討されます。
Q. 超音波検査でステージは分かりますか?
超音波検査単独では正確なステージ判定はできません。経腟超音波でチョコレート嚢胞の有無・大きさは確認できますが、腹膜病変・癒着の程度を評価できないため、rASRMスコアの算出には腹腔鏡検査が必要です。ただし、深部子宮内膜症の疑いにはMRIも補助的に使用されます。
Q. ステージIVでも体外受精で妊娠できますか?
ステージIVでも体外受精による妊娠は報告されています。ただし、卵巣予備能の低下(AMH低値)・採卵数の減少・卵子の質の低下により、ステージの低い患者と比較して妊娠率が下がる傾向があるとされています。専門のART施設での評価を受けることが重要です。
Q. ステージIIIのチョコレート嚢胞は手術すべきですか?
一概に「すべき」とは言えません。手術によりチョコレート嚢胞は摘出できますが、同時に正常卵巣組織を失うリスク(AMH低下)があります。日本産科婦人科学会の診療指針では、不妊治療と手術の利益・不利益を個々の状況(年齢・AMH値・嚢胞サイズ・症状)に応じて検討することが推奨されています。セカンドオピニオンを活用することも選択肢の一つです。
Q. 子宮内膜症のステージは治療で改善しますか?
ホルモン療法や手術によって症状・病変の縮小は期待できますが、ステージを「完全に正常化」することは難しいとされています。手術で病変を切除した場合、一時的にステージが改善することがありますが、ホルモン療法を継続しないと再発・ステージ上昇のリスクがあります。長期的な管理が重要です。
Q. 月経痛が軽いのにステージIVと診断されることはありますか?
あります。ステージIVで広範な癒着が生じると、骨盤内臓器が固定されて刺激が少なくなるため、逆に痛みが軽くなるケースが報告されています。「痛みが軽い=軽症」ではないことが子宮内膜症の難しい点で、不妊検査や他の理由で腹腔鏡を受けて初めてステージIVと判明する場合もあります。
Q. rASRMスコアはどこで確認できますか?
rASRMスコアは腹腔鏡手術の術中記録として記載されます。主治医に「術中に確認したrASRMスコアはいくつでしたか」と直接確認することが最も確実です。また、不妊治療クリニックではEFIスコアも算出していることがあり、妊孕性評価の参考になります。
Q. 子宮内膜症の悪性化はステージと関係しますか?
子宮内膜症関連卵巣癌(EAOC)はステージIII・IVのチョコレート嚢胞(子宮内膜症性卵巣嚢胞)から発生することがあるとされています。日本のデータでは子宮内膜症患者の約0.7%がEAOCに移行するとの報告があります(厚生労働省科学研究報告書)。特に嚢胞径が大きく(4cm以上)・長期経過の場合は定期的なモニタリングが推奨されています。
まとめ
- 子宮内膜症のステージはrASRM分類(I〜IV)で評価され、スコアは腹膜・卵巣・ダグラス窩・癒着の4領域で点数化される
- 痛みの強さとステージは必ずしも相関せず、症状だけでの自己判断は禁物。腹腔鏡による確定診断が重要
- ステージIIIから妊孕性低下が顕著になり、チョコレート嚢胞はAMHを低下させる。EFIスコアも合わせた評価が不妊治療の方針決定に有用とされている
- 治療はステージ・年齢・妊娠希望の有無で異なり、術後はホルモン療法による再発予防が不可欠とされている
- rASRM分類の限界を補う新指標(EFI・ENZIAN)も普及しており、主治医との情報共有が治療の質を高める
子宮内膜症は慢性疾患です。「今のステージ」だけでなく、「今後どう管理するか」を主治医と長期的に話し合うことが重要とされています。
次のステップ——専門医への相談を
子宮内膜症の症状(月経困難症・慢性骨盤痛・不妊)でお悩みの方は、産婦人科・婦人科を早めに受診することが推奨されています。特に以下に当てはまる方は専門医への相談を検討してください。
- 市販の鎮痛剤で月経痛がコントロールできない
- 1年以上妊活しているが妊娠しない(35歳未満)/6ヵ月以上(35歳以上)
- 超音波でチョコレート嚢胞を指摘されたことがある
- 性交痛・排便痛が持続している
当サイトでは、子宮内膜症と不妊の関係をはじめ、婦人科疾患全般の情報を提供しています。関連記事もあわせてご参照ください。
参考文献・出典
- American Society for Reproductive Medicine (ASRM). Revised American Society for Reproductive Medicine classification of endometriosis: 1996. Fertil Steril. 1997;67(5):817-821.
- Adamson GD, Pasta DJ. Endometriosis fertility index: the new, validated endometriosis staging system. Fertil Steril. 2010;94(5):1609-1615.
- Barnhart K, et al. Effect of endometriosis on in vitro fertilisation. Fertil Steril. 2002;77(6):1148-1155.
- Sanchez AM, et al. The distinguishing cellular and molecular features of the endometriotic ovarian cyst: from pathophysiology to the potential endometrioma-mediated damage to the ovarian reserve. Hum Reprod Update. 2014;20(2):217-230.
- 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会. 子宮内膜症取扱い規約 第2部 診療編(2022年版).
- Kondo W, et al. The ENZIAN Classification: an update for deep infiltrating endometriosis. J Minim Invasive Gynecol. 2021.
- Harada T. Dysmenorrhea and endometriosis in young women. Yonago Acta Med. 2013;56(4):81-84.
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